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無題 - 瀬戸 薫

2024/07/27 (Sat) 12:31:57

毬さん、ぽけっとさん、いつもお世話になり有難うございます。
選句です。

◎20百日紅動かぬままの三輪車
「子供が三輪車を漕いで百日紅まで来る」時間と、「子供が三輪車から離れた後」の時間、この俳句はこの二つの時間軸からできています。そして後者の時間軸がこの句の命だと思います。俳句は「作者が半分」「読者が半分」と言われ、読者に考える余地をいかに残すか、が重要だともいわれます。作者が見た現実がどうであれ、読者は後者の時間軸に思いをはせ「その子供はどうしたんだろう」と想像を膨らますことになります。そういう意味でもこの句は秀句だと思いました。ちなみに、私はその子供のことがちょっと心配になりました。

〇30日の重さ受け止めて立つ大向日葵
向日葵の大きさ、何かに耐えている姿、太陽に向かっている花の凄さ、などを思いました。きっと大きな向日葵なのでしょうね。

〇36海の香の届く庭先梅を干す
「海の香」と「梅を干す作業」との取り合わせです。一年で一番熱い土用の頃、その暑さを少しでも和らげてくれるような日々の作業を思います。さわやかな句です。

〇祭旗並ぶ参道夏燕
「祭」と「夏燕」は季重なりですが、全く気になりませんでした。参道をさっと通り過ぎる燕の速さが脳裏に浮かびます。夏の神社の一場面をうまく切り取っていると思いました。


〇52とんぼうの水面にぎはふ夕まぐれ
薄暗い夕方、沢山の蜻蛉が産卵のため自らの尻尾を入れ替わり立ち代わり池の水面に着けています。幻想的な風景です。蜻蛉の世界でも、親から子へ、子から孫へと命の継承が行われているのです。「にぎはひ」には祭典の趣もあるような気がしました。

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